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それでもボクはやってない

周防監督の約10年ぶりの新作。今回はコメディの要素がほとんどない。何しろ、竹中直人がホンの端役ですから。しかも笑える箇所は竹中直人出演時のみという、ガチな内容です。まあ、笑ってる場合じゃないよというお話ですから仕方ありませんけど。
実際にあった痴漢の冤罪をモデルにして・・・っていうか、その再現ドラマを見ているよう。映画というにはちょっとどうかと思うほど、ドラマ性を排除している。起こってる事態がすでにドラマ的ではあるけど、映画だったら恋愛感情を持たせたり、友情の危機とかそういうものを入れるものでしょう。唯一、親子の絆みたいなものが描かれていたが、それもさりげない感じにとどめている。リアリティのために意図してやってるんでしょうが、あまりにもドライで、だったらドキュメンタリーでいいじゃんと思ってしまうのも正直なところ。
ただ、再現ドラマとはいえ、テレビでやってるユルいものとは雲泥の差で、2時間半ものあいだ一瞬たりとも眼が離せない。内容上、舞台はほとんど裁判所で、ただしゃべり合っているだけなのに。これはやっぱり演出と構成がとても計算されているのだと思う。こういう、わかりきった話を演出と構成だけで2時間強も見せてしまうというのは、『タイタニック』の時にも思ったが、やっぱり凄い監督なんだと思う。
とにかく、見た後にいろいろと考えさせられる映画です。国家権力側の人々が許せないって感じになりますが、本当に罪を犯しても反省のないヤツや平気で嘘をつくヤツが、こういった冤罪者の何倍もいることを思うと、仕方ないと思う面もある。そう考えると、冤罪の人たちも、結局は、本当に罪を犯した奴らの被害者だという言い方もできるかもしれない。
ともあれ、国家権力はおそろしいし、満員電車はキケンだ。

★★★★★

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