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ブレインデッド

今ではすっかり大監督の仲間入りを果たした、ピーター・ジャクソンの初期の作品。しかし、このころからもはや今の作風が全開です。冒頭はまるっきり『キング・コング』だし、グチュグチュ、ヌルヌル感は充満しているし、ヒロインの顔が長い。これはおそらくピーター・ジャンソンの趣味なんだろうが、この女の趣味という部分だけは自分と合わない。非常に残念だ。
内容的には『死霊のはらわた』をもっと押し進めたものという感じ。これはピーター・ジャンソンがどうしてもやりたかった内容というより、低予算で全世界にアピールできる映画という、マーケット的な計算から生まれた内容という感じがする。だからといって作品に対する情熱がないなんてことはなく、むしろ、見ている人を一番に考えて作るというピーター・ジャンソンの資質がよく現れているし、結果、世界中で大ヒットして、憧れの『キング・コング』を撮れるまでになったのだから、この映画に詰まっている情熱は半端じゃない。
内容も、ただゾンビがグチャグチャと死んでいくだけではなく(といっても95%はそんな映画だが)、深読みすれば、ボケた母親を介護したり、言うこときかない赤ちゃんに苦労するという、家族を持つということの苦労を描いているともいえる。また、母親からの男の自立を描いている作品でもあろう。いろいろな障害を乗り越えて、本当に自分が進みたい道へ立つというのがこの映画のラストだ。そして、男は自分の夢(例『キング・コング』)を実現するのだ。

★★★★

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鉄コン筋クリート

原作は松本大洋の有名なマンガですが、あの絵と独特の言い回しが、自分にとっては非常に読みづらいマンガで、途中であきらめてしまった経緯がある。でも、見てみたい作品だったので、動く映像でセリフを喋ってくれて、2時間で見られるというだけでも映画化してくれてよかった。
ということで、何の予備知識もなく見たのだが面白かった。声優陣も素晴らしかったと思う。特に田中泯は最高。ただ、シロは『ピンポン』の窪塚と同じしゃべり方でしたが、松本大洋キャラの基本なのだろうか。世界観も、松本大洋の世界を上手に見せていたのではないかと思うのですが・・・なにぶん原作を見ていないので。ただ、この映画で面白いと思った所は、多分、原作の面白さであって、この映画自体がよいと思う部分は少なかったように思う。そう思うのは、この映画、というかアニメーションの最大の見せ場であるはずのクロ対イタチのシーンがダメだったからだ。この場面こそが、絵が動かない原作に、映画が勝てる唯一の勝負所であったはずなのに。アニメーション映画が、その動きや映像よりも、キャラやセリフやお話の方が断然面白いというのは、原作に完敗しているということだろう。
とりあえず、もう一度原作にチャレンジしようと思います。

★★★★★

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氷の微笑

マンチラで有名な映画。自分も昔に一度見たが、ここしか記憶になかった。それくらい強烈なシーンが一つでもあれば、映画は後世に残るのだ。ちなみに、そのシーンでのメガネのおっさんの顔は最高だ
で、改めて見るとしっかりとしたお話があって、セリフもいい感じで普通によい映画でした。サスペンスとしても充分楽しめると思います。裸もたくさん出てきて、そういう方面からも期待に添う作品となっています。
ただ、主役のマイケル・ダグラスがどうもダメでした。容疑者であるはずのトラメルの魅力にどんどんハマっていって、ついにヤッちゃうという悪女もののはずなのだが、マイケルでは会った瞬間にヤルことしか考えていなそうに見える。だから、引き込まれていく心理サスペンスが感じられない。あと、年齢も上すぎるとも思う。ベッドシーンとかを見ていると、渡辺淳一作品の映画みたいに見えてきて、とたんにげんなりしてしまう。
邦題も良いと思います。原題マンマが多い最近の映画もガンバって欲しいものだ。

★★★★


監督:ポール・バーホー
出演者:マイケル・ダグラス、 シャロン・ストーン、 ジョージ・ズンザ、 ジーン・トリプルホーン
収録時間:128分

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ユナイテッド93

一言で言えば、ズルい映画だ。あの事件の衝撃が覚めやらぬ中、この出来事(事実かどうかはわからないが)を映像化するというだけで、始めから面白さは2割増だろう。最初の20分くらいなんて、ただの空港周りの日常風景で、普通の映画だったらその時点で不合格ものだ。でも、この映画は後半に待っている事実を知っているので、ただの日常風景が物凄い緊張感と一寸先は闇という恐怖感を増長させる。
主人公というような人はいない。カメラも報道カメラのように揺れ動く。だからこれは、いわゆる劇映画ではなく再現映像なのだ。だからってダメというわけでは決してない。不安定なカメラの割に大事な所はしっかりと撮れてるし(当たり前だが)、編集は抜群に上手くて当日のドタバタな状況がよく伝わる。その一方で、ハイジャックを決行する前の飛行機内の、太陽光の差し込む穏やかな映像の対比が見事。そして一番凄いと思ったのは、ラストカット。想像だにしなかった映像で、終わった後の余韻が強く残る。結論としては、100点の2割増で120点の出来だというくらい面白い映画でした。
それにしても、アメリカの軍関係者ですら、一般の日本人の自分と同じ目線でしか、あの映像を見ていられなかった思うと、腰が砕ける。アメリカの軍事費は何に使われているのか。そして、その時に幼稚園児と絵本を読んでいた大統領って・・・。

★★★★★★★


監督:ポール・グリーングラス
出演者:コリー・ジョンソン、 タラ・ヒューゴ、 シェエン・ジャクソン、 ジョン・ロスマン
収録時間:111分

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トレマーズ

砂漠地帯の地下に謎の巨大生命体が蠢いていて、人間を食べようと襲いかかってくる。端的にいうと『ジョーズ』の陸上版。というかもろパクリ。まあ、パクろうがなんだろうが面白ければいいわけで、その点この映画は合格だ。
映像・特撮もなかなか頑張っているし、砂漠に埋もれた車なんていう画は、詩的ともいえるくらいだ。ただ、この怪物(名前をつけるべきと激論していたのに最後まで名前がないかわいそうなヤツ)との知恵比べのレベルが低い。劇中「ヤツは頭がいい」と何遍も言うが、所詮、頭から壁に激突して死んじゃうようなヤツなのだ。まあ、アメリカの田舎の人って・・・。というか、こんな砂漠地帯に住んでいる人が本当にいるのだろうか。そっちばかり気になって映画に集中できなかった。
『ジョーズ』のパクリ映画であるこの映画も、屋根の上でのシーンなどでは『ドーン・オブ・ザ・デッド』でパクられている。作品はこうして連綿と続いていくのだなあ。

★★★★

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グエムル 漢江の怪物

タイトル通り怪物が出てくるが、ゴジラやガメラのようなのを期待していると全然違うので注意が必要。いわゆる怪獣映画ではなくて、災害映画でありホームドラマでもあり、反アメリカな作品です。
ただし、冒頭の怪物出現シーンは素晴らしい出来です。冒頭20分くらいは、正真正銘の怪獣映画だ。CGもいい出来だし、怪物の大きさもリアルで、今までにない怪獣シーンになっていると思う。しかし、後半に進むにつれて、怪獣映画という要素は薄れてきて、家族のドラマが中心になってくる。怪獣は所詮、物語の狂言回しにすぎない。そこがこの映画が怪獣映画ではない大きな点だ。
で、画期的なのは、その家族たちが本当にダメ人間でしかないという点だ。人間的な成長もあんまりないし、驚くほどのバカさ&ダメっぷりだ。その為に相当に悲惨なことになる。悲惨すぎてバカすぎて、笑うに笑えない感じは、スピルバーグの影響なのかなあ。この怪物ってのは要は資本主義の悪所で、その資本主義を持ち込んだアメリカのせいでバカで貧乏な人間が多くなってしまった韓国人が、アメリカ人でも倒せなかった怪物を倒すという幻想ともとれるかなあと思いました。
それにしても、ソン・ガンホはいい役者だ。この映画でのダメっぷりは、別の映画でキレる軍人とか演じていた人と同一人物とは思えない。日本にもソン・ガンホのような顔で勝負しない役者がもっと欲しいものだ。役者だけではない。このように、韓国が世界に通用する映画をたくさん制作しているのに、日本では「泣ける」とかが売りだけのTVみたいな映画ばかり。怪獣映画発祥の地でもあり、災害大国の日本で、このような作品が作れない日本映画の現状は悲しくなる。現在の日本映画は客が入っているそうだが、その搾取したお金をちゃんとした映画を作るほうに回して下さい。韓国がで搾取したお金で立派な映画を作っているように。

★★★★★★


監督:ポン・ジュノ
出演者:ソン・ガンホ、 ピョン・ヒョボン、 パク・ヘイル、 ペ・ドゥナ
収録時間:120分

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エルム街の悪夢

後にシリーズ化され、最終的にはジェイソンと対戦することになるフレディのデビュー作。ちなみにジョニー・デップのデビュー作でもあります。
夢の中で襲われると、現実でも傷つき死んでしまうというアイデアが抜群。寝ることが至福な自分にとっては、寝たら殺される=寝れないというのは恐怖の2乗です。夢の中だから、ある程度の変な部分(予算の関係でショボイ部分も含めて)が許されるってのがいい。殺し方も現実的な縛りがないから、ジェイソンみたいにワンパターンに陥ることもなく、いろいろなアイデアで殺せる。シリーズになるのも頷ける。
リアルである必要がない、想像し得る画であれば問題なしということだから、正に純粋なホラー映画といえると思う。だからこそ、現在のCGを使いまくった方が面白いモノが出来ると思うので、是非リメイクして欲しい作品だ。だからといってこの作品の特撮がダメなどということはなく、素晴らしい映像が満載なので、リメイクするにも容易にはやって欲しくないのだが。
お話もしっかりとしていて、フレディとは何者か?というミステリーな部分もあり、思春期の不安定な感じや親子の断絶というものも、ちゃんと描かれていると思う。フレディとの決着のつけ方が、精神論に行き着くというのも深い。ラストは夢オチなのかなんなのかよくわからなくなるあたりも含めてフレディに取り憑かれてしまっているのだから誰か起こして下さい。

★★★★★


監督:ウェス・クレイヴン
出演者:ヘザー・ランゲンカンプ、 アマンダ・ワイス、 ジョン・サクソン、 ロニー・ブレイクリー
収録時間:91分

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狼男アメリカン

ホラー・コメディと紹介されていたので『13金』シリーズの後半のようなモノかと思って見たら、今まで見たホラー映画の中でも、かなりリアルで怖い映画でした。どこがコメディなの?
確かに笑えるシーンもあるが、そういう場面はほとんどが主人公の妄想のシーンだ。これはアイデンティティの崩壊で、精神がおかしくなってきたということだから笑いよりもゾクッとする怖さの方が大きい。全裸で動物園というシーンも、今までホラー映画が避けてきたシーンをあえて見せているということで、笑えるけれどもリアルさが強調されて、やっぱり怖さが増す。唯一心から笑えたのは、映画内映画(See You Next Wednesdey)のおっさんが間違えて部屋に入ってくる場面だけ。
見知らぬ地での孤独感、自我の崩壊、友達を見捨てた罪悪感、ラストのあっけない感じ、彼女が働きに出てしまった後のヒマな感じなど、リアルな描写ばかりでとても無邪気に笑える映画ではなかったです。逆に、怖い映画としては最高に恐ろしい映画だと思う。特殊メイクも素晴らしい。

★★★★★


監督:ジョン・ランディス
出演者:デビッド・ノートン、 ジェニー・アガター、 グリフィン・ダン、 ジョン・ウッドヴァイン

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ゼイリブ

SFという言葉のイメージとはかけ離れた肉弾戦満載の泥臭いSF映画。ワン・アイデアのSFなので、星新一のようなショートのネタにはいいが、90分の映画にするには厳しい。で、それを埋めるが如く、SFとはなじみの薄い筋肉が大活躍する。中盤には長〜い肉弾戦があって、映画を見てるのかプロレスを見てるのかわからなくなるほどだ。そういう、吉野家や松屋が似合う男たちにとっては、カタカナばかり喋って、肉体を駆使することなくお金をガッポリ稼ぐような人たちは、理解不能で同じ人間とは思えないだろう。だから、この映画は肉体労働者たちの妄想かもしれないし、逆に真の現実を描いているのかもしれない。だって、広告なんて映画で描かれている通りのものだし、今の広告なんて真のメッセージを隠そうともしてないもんな。サングラスなんていらない世界になってきているということだ。コンタクト・サングラスができたからではないですよ(これ不便だよなあ)。
ということは、この映画のある意味衝撃的なラスト・カット後の世界に、私たちは生きているということになる。普通に

★★★★


監督:ジョン・カーペンター
出演者:ロディ・パイパー、 キース・デビッド、 メグ・フォスター

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太陽

自分の中には右翼的な日本思想の血が、意外と流れてるんだなあと認識させられた映画です。
昭和天皇を一人の人間として描くというのはいいと思うが、ここまで子供じみた人間として描かれると、なんかムカッとしてしまった。実際もそうだったのかもしれないが、一応帝王学とか学んだはずだし、もうちょっと威厳を持った振る舞いをしていたと思う。せめて、食事くらいクチャクチャ音させて食ったりしなかったんじゃないか。これじゃあ映画で描きたかったであろう、天皇でいることの苦労が見えない。なにより、人前での神様としての天皇と一人のときの人間としてのヒロヒトを強調した方が、映画として面白いだろう。
イッセー緒形の演技も凄いとは思うが、あくまで晩年の天皇の雰囲気であって、当時はもっとエネルギッシュな部分もあったんじゃないかなあ。これだって、戦中の天皇としての振る舞いと、戦後の人間としての振る舞いの差があった方が、ラストのシーンも一段と感動すると思う。最後の最後に晩年の天皇の雰囲気を見せれば、ああ人間になったんだなあとしみじみ感じ入るし、こういう現代へのつながり的なラストは、歴史ドラマとしては必須なんじゃないかと思う。
そもそもイッセー尾形を使うのなら、もっと笑いの方向でよかった。イッセー尾形だって、そう思って演技してるんじゃないの、あの演技は。全編、チョコレートの下りの雰囲気でやればよかったのに。コメディなのか史実なのか、とにかく中途半端な感じの映画でした。天皇の描き方がどうという前に、映画としてつまらないのだ。白昼夢のシーンや、月明かりのシーンなど素晴らしい映像があっただけに残念です。

★★★


監督:アレクサンドル・ソクーロフ
出演者:イッセー尾形、 ロバート・ドーソン、 桃井かおり、 佐野史郎

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ブラック・レイン

アメリカでは、数多い中のあまり出来の良くない映画の1つにすぎないだろうが、日本人にとってはかなり大切な作品。本格的に日本を舞台に日本人俳優を使って制作された、初めてのハリウッド映画だから・・・というよりも松田優作の遺作だからという方が大きい。
パブの中で相撲が行われていたり、普通に舞妓が歩いてたりしないだけでも、この頃の日本の描写としては頑張っている方だ。それは、健さんが出演の条件として、脚本のおかしな所を直させたという話があり、さすがだと思うし、最近の若い俳優は見習って欲しい。でも、やっぱりおかしな点はあり、最後の舞台なんかは完全に日本じゃない。まあ、日本では爆発許可が出なくて、アメリカで撮影したらしいが。他にも細かい所でいろいろあるが、あの頃のバブル日本の生活や流行などは、今の日本からしても別世界の出来事だし、だから多少変でも気にしないことだ。むしろ、大阪の街が撮り方一つで『ブレードランナー』の世界にできるという方に驚くし、日本映画も見習うべき。でも、心斎橋の映像なのに大阪弁ではないということに、これほど違和感を覚えるとは思わなかった。
内容は、あまり出来のよくない映画の一つです。日本人から見ると、アメリカ人の価値観の押し売り的な所があり(アメリカ映画だから当然ですが)、戦争を知らない世代ながらも、やっぱり敗戦国なんだなあと感じてしまう。
そんな中、一人気を吐いているのが松田優作で、演技にセリフなんかいらないと言っているような凄い演技。目だけでこれだけの感情をあらわせる人はなかなかいないでしょう。これが遺作なんて、本当に惜しい。もし、生きてたら・・・・・・。

★★★★


監督:リドリー・スコット
出演者:マイケル・ダグラス、 高倉健、 アンディ・ガルシア、 松田優作

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グッドフェローズ

実話を基にしたドキュメンタリー調のマフィア映画、すなわちアメリカ版『仁義なき戦い』ということだ。しかし、そこはアメリカ&スコセッシ。カッコいい音楽と潤沢な予算で、『仁義〜』とはかけ離れたスマートさがある。マフィアっていいなあと思ってしまうくらい、カッコよく描かれている。まあ、最後にはツケが回ってくるのですが。
映画には特に物語があるわけではなく(まあ現実はそうだから)、ただ幾つものエピソードが描かれている。そのエピソードも、マフィアならではの斬った張ったのドラマチックなものばかりではなく、普段のわりと普通な生活の描写が多い。この、いわゆる外した感じや既成音楽の使い方など、タランティーノ(とその症候群映画)にも大きな影響を与えてるし、映画史の中でも意外と重要な作品だと思う。
この一見退屈そうな映画を面白くしてるのは、登場人物(役者)たちだろう。レイ・リオッタの、現実に一人くらい殺してそうな危なくも哀愁のある眼が、次に何をやらかすのかとつい引き込まれてしまう。そして最高なのがトミー(ジョー・ペシ)だ。『仁義〜』でいうところの大友勝利、いや『仁義の墓場』の石川力夫級のヤクネタ。やっぱりこの世の中で一番怖いのは、道理の通じないキチガイだ。
この映画は、人生の教訓を教えてくれる。クスリは人生をダメにする、キチガイに刃物を持たせてはいけない、母親はいつだってうっとおしい

★★★★★


監督:マーチン・スコセッシ、アーウィン・ウィンクラー、ニコラス・ビレッジ
出演者:ロバート・デ・ニーロ、 レイ・リオッタ、 ジョー・ペシ

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ライトスタッフ

バカな男たちの映画です。負けず嫌いの人ってバカに見えるけど、とことん突き詰めて、命を賭けるところまでいけば、バカッコいいになるのだ。たけし軍団みたいなもの・・・いや違うか。とにかく、大空に命をかけた男たちのプロジェクトX映画です。
多分実際にやっていたことだと思うが、宇宙飛行士適正テストが実にバカバカしい。まあ、米ディズニーワールドにある『ミッション:スペース』で、意識が飛びそうになった自分は、絶対合格できないですが。
技術者とのやりとりも面白く、搭乗機に窓をつけるつけないで揉めるあたりは、小さいなあと思いつつ、こういう細かい所が実に大事だったりするんだなあとも思う。宇宙飛行と言っても、基本は人間のやることですから。
登場人物だけでなく、この時代のアメリカの負けず嫌いっぷりも凄い。やっぱりアメリカって基本バカ。これらの計画は税金や命の無駄だといわれるけど、同じ税金で戦争をやるくらいだったら、こういう勝負の方がバカっぽくていい。少しはためになるだろうし。
ライト兄妹しかり、こういうバカ(ッコいい)な男たちがいたからこそ、今の私たちの便利な生活があるのだ。バカは偉大だ

★★★★★


監督:フィリップ・カウフマン
出演者:サム・シェパード、 スコット・グレン、 エド・ハリス、 デニス・クエイド、 フレッド・ウォード、 チャールズ・フランク

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最前線物語

戦争ドラマというか、戦場ドラマというべき作品。戦争、戦況はどんどんと進んでいくが、主人公たちが向かう様々な戦場は、どこに行っても同じ感じだ。予算の都合もあるのだろうが、戦況を見せるような遠景的な要素はなく、ひたすらに個人目線での箱庭的な戦場が描かれている。しかもそこには、友情や恋愛などの人間としての成長もなく、強いヤツは最初から強いし、弱いヤツは最後まで弱く、ドラマというものはあまり感じない。あまりに現実的だ。
それとは対照的に、積み重ねられるエピソードは、印象的で奇抜とも思えるものばかり。戦争という言葉から連想されるような厳しさとかがあまりなく、のんびりとしていて、時にユーモラスな感じで進んでいく。その一方で、人を殺しているのに。あ、MURDER(殺人)じゃなくてKILL(殺害)しているだけなんだった。このアンバランスさが映画を奇妙な感じにしているが、実際の戦争も、個人レベルで見たらこんな感じなのかもしれない。
戦争というものがいかに不条理で、その積み重ねが人を狂わすということをわからせてくれる映画です。少し長過ぎかなあ。

★★★★


監督:サミュエル・フラー
出演者:リー・マーヴィン、 マーク・ハミル、 ロバート・キャラダイン

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