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太陽

自分の中には右翼的な日本思想の血が、意外と流れてるんだなあと認識させられた映画です。
昭和天皇を一人の人間として描くというのはいいと思うが、ここまで子供じみた人間として描かれると、なんかムカッとしてしまった。実際もそうだったのかもしれないが、一応帝王学とか学んだはずだし、もうちょっと威厳を持った振る舞いをしていたと思う。せめて、食事くらいクチャクチャ音させて食ったりしなかったんじゃないか。これじゃあ映画で描きたかったであろう、天皇でいることの苦労が見えない。なにより、人前での神様としての天皇と一人のときの人間としてのヒロヒトを強調した方が、映画として面白いだろう。
イッセー緒形の演技も凄いとは思うが、あくまで晩年の天皇の雰囲気であって、当時はもっとエネルギッシュな部分もあったんじゃないかなあ。これだって、戦中の天皇としての振る舞いと、戦後の人間としての振る舞いの差があった方が、ラストのシーンも一段と感動すると思う。最後の最後に晩年の天皇の雰囲気を見せれば、ああ人間になったんだなあとしみじみ感じ入るし、こういう現代へのつながり的なラストは、歴史ドラマとしては必須なんじゃないかと思う。
そもそもイッセー尾形を使うのなら、もっと笑いの方向でよかった。イッセー尾形だって、そう思って演技してるんじゃないの、あの演技は。全編、チョコレートの下りの雰囲気でやればよかったのに。コメディなのか史実なのか、とにかく中途半端な感じの映画でした。天皇の描き方がどうという前に、映画としてつまらないのだ。白昼夢のシーンや、月明かりのシーンなど素晴らしい映像があっただけに残念です。

★★★


監督:アレクサンドル・ソクーロフ
出演者:イッセー尾形、 ロバート・ドーソン、 桃井かおり、 佐野史郎

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